【STEP-36】Raspberry Pi 3 Model B+のCPUクロックを1.4GHzに固定

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Raspberry Pi 3 Model B”+”のCPUクロックは”1.4GHz”とされていますが、実際のクロックは負荷が掛かってCPUの温度が上昇するとすぐに”1.2GHz”に落とし、更に温度が高くなると600MHzにまで落とす設定になっています。そこで以前の記事【 続報 ② 】ではcpufrequtilsをインストールし、速度管理設定を”ondemand”から”performance”に変更することで、”1.4GHz”に固定しましたが、この設定は再起動するとリセットされてしまいました。
今回は、再起動しても設定がリセットされない方法が分かったので、紹介します。

現状の速度管理設定の確認

LXTerminalを起動し、コマンド”cpufreq-info”でCPUの速度管理設定を確認します。

cpufreq-info -o

governor(速度管理設定)は”ondemand”で最低周波数は最高周波数の42%で600MHzです。タスクバーのアイコン”CPUFreq フロントエンド”にマウスオーバーすると、現状のCPUクロックと速度管理設定が表示されます。”CPUFreq フロントエンド”がない場合は、【 続報 ② 】を見て追加してください。

デーモン”cpufreqd”のインストール

タスクバー左端のメニューアイコンから「設定」→「Add  /  Remove  Software」をクリックし、起動します。画面左上の検索枠に”cpufreq”と入力して「Enter」キーを押すと、しばらくして右ペインに検索結果が表示されますが、既に【 続報 ② 】で”cpufrequtils”と”libcpufreq”はインストール済なので、今回はデーモン“cpufreqd”のチェックボックスにチェックを入れ、画面右下の「Apply」ボタンをクリックします。

「認証待ち」画面に続いて「認証」画面が現れるので、【STEP-09】で設定したパスワードを入力し、「OK」ボタンをクリックします。

インストールが終わったら、右ペインの”cpufreqd”のチェックボックスにチェックが入っていることを確認して「OK」ボタンをクリックし、閉じます。

インストール直後の速度管理設定を確認

もう一度、コマンド”cpufreq-info“で、インストール直後の速度管理設定を確認します。

cpufreq-info -o

今度はgovernor(速度管理設定)が”performance”に変わり、最低周波数、最高周波数共に1.4GHzになっていました。確認できたら、再起動してみます。

再起動後にもう一度、コマンド”cpufreq-info“で、インストール直後の速度管理設定を確認します。

cpufreq-info -o

再起動後はgovernor(速度管理設定)は”ondemand”に戻ってしまいましたが、最低周波数、最高周波数は共に1.4GHzのままでした。負荷の少ない状態でタスクバーのアイコン”CPUFreq フロントエンド”にマウスオーバーしても、CPUクロックは1.4GHzで固定されたままです。

”cpufrequtils”の速度管理設定を確認

ファイルマネージャを起動し、左ペインで”/etc/init.d”を開きます。右ペインの”cpufrequtils”を右クリックして出てくるメニューから「nano」を左クリックします。

現れた「sudo」画面のカーソルを” ↓ “キーで下に送り、行頭に”#”のないGOVERNOR(速度管理設定を)=を確認すると、”performance”になっていました。

デーモン“cpufreqd”をインストールすることで、Raspberry Pi 3 Model B”+”のCPUクロックを1.4GHzに固定することができましたが、このページ冒頭に掲載したグラフにもあるように元々、速度管理設定はCPUの熱暴走を防ぐことが目的なので、負荷の高いときはタスクバーの温度モニターをチェックし、あまり温度が上がるようなら冷却ファン、ヒートシンク等の設置も検討してください。