SDカードには書き込み回数の上限や劣化による寿命があり、エラーが出て起動しなくなる可能性もあります。
しかも、目的別に最適化 ( カスタマイズ ) したmicroSDカードをインストールから設定し直すのはたいへんなので、バックアップをしておきましょう。
それと、Raspbianの更新により使えなくなるアプリや不具合が発生することもあり得るので、”upgrade”実行前にも念の為、バックアップすることをお勧めします。
microSDカードのモデル名とデバイスファイル名の確認
バックアップに使用するmicroSDカードは、バックアップ対象の ( Raspberry Piのカードスロットに挿入している ) microSDカードと同じ容量か大きい容量のものを用意してください。
「SD Card Copier」の実態はコマンド”dd“で、デバイスを丸ごと上書きするので、書き込み前のパーティション操作やフォーマットは不要です。
バックアップ用のmicroSDカードをカードリーダーを介してRaspberry PiのUSB端子に接続すると、「リムーバブルメディアの挿入」画面がいくつか ( Raspberry Piにマウントされたパーティションの数だけ ) 現れるので、最初の画面の「OK」ボタンをクリックし、残りは全て「キャンセル」ボタンをクリックします。
「ファイルマネージャ」が起動し、マウントされたmicroSDカードのパーティション(この例では「boot」)が表示されました。今回のバックアップには、以前のRaspbianをインストールした別のmicroSDカードをそのまま使用してみます。
microSDカードのバックアップ
タスクバー左端のメニューアイコンから「アクセサリ」→「SD Card Copier」をクリックして起動します。
「SD Card Copier」画面が開くので、項目「Copy From Device:」右のプルダウンメニューからバックアップ対象のmicroSDカードのデバイスファイル名”(/dev/mmcblk0)″を選択します。
項目「Copy To Device:」右のプルダウンメニューからUSB端子に接続したmicroSDカードのデバイスファイル名”(/dev/sdd)”を選択します。
ここで、「Help」ボタンをクリックしてみました。
「SD Card Copier Help」が開くと気になる部分があったので、右クリック→「コピー」します。
ブラウザを開いてGoogle アプリ「翻訳」の左側入力欄に、右クリック→「貼り付け」します。
Google アプリ「翻訳」の右側翻訳欄を読むと、この「SD Card Copier」で複製したmicroSDカードが「マウントすることができない」場合があるようです。
副作用もなさそうなので念の為、項目「New Partition UUIDs」のチェックボックスにチェックを入れておきます。
設定が終わったら「Start」ボタンをクリックします。
警告画面「これはデバイス上のすべてのコンテンツを消去します。よろしいですか?」が現れるので、よければ「Yes」ボタンをクリックします。
バックアップ先のmicroSDカードがアンマウントされて、開いていた「ファイルマネージャ」が閉じ、最初のパーティションのコピーが始まります。
※通常は必要ありませんが、コピーが正常に始まらない場合は、バックアップ先のmicroSDカードを【STEP-23】と同じ方法で”ext4″でフォーマットしてからコピーしてください。
最初のパーティションのコピーに続いて次のパーティションもコピーします。
全てのパーティションもコピーが完了すると「Copy complete.」画面が出るので、「OK」ボタンをクリックします。
「SD Card Copier」画面に戻るので、「Close」ボタンをクリックします。
既にmicroSDカードはアンマウントされているので、microSDカード ( SDカードリーダー ) をUSB端子から取り外してRaspberry Piのカードスロットに挿入し、起動して問題がないことを確認しておきましょう。
今回は起動中のOSのバックアップに用いましたが、「SD Card Copier」はSDカードだけでなくUSB端子に接続する各種ストレージ間のデバイス丸ごとコピーも可能です。
次回の【STEP-25】では、microSDカードのイメージを外部ストレージに圧縮して保存したり、その圧縮ファイルを展開してmicroSDカードにコピーすることで、バックアップとリカバリーを随時に実行する方法を紹介します。