トランジスタとは?
世の中で使われている電子機器には絶対といっていいほどトランジスタが内蔵されています。
例えば私たちが持ってるスマートフォン、iPhone、パソコンなどには約30億個のトランジスタが使用されていると言われています。
そう思うとトランジスタのことを知らないなんて少しもったいない気がしますね。
ここでは簡単にトランジスタについて解説をしていきます。
トランジスタの役割
トランジスタの使用方法には大きく分けて二つの種類があります。
電気信号の増幅
ベース電流の変化に合わせてコレクタ電流が変化する性質を利用しています。
トランジスタの構造において微弱な電流をベースに送ると、エミッタとコレクタにも電流が流れ結果として大きな電流を作ることができます。
スイッチング
電気信号の流れを高速でON/OFFで切り替えることができます。
スイッチONでベースから流れた電流がエミッタに流れ、スイッチOFFでエミッタに流れる電流が遮断され、電流が流れなくなります。
このようなトランジスタの特性を制御することで、私たちの身近な電化製品などにも利用されています。
トランジスタの歴史
トランジスタは1948年にアメリカのベル研究所で研究していたウィリアム・ショックレー、ジョン・バーディーン、ウォルター・ブラッテンの3名によって発明されました。
その功績により、この三名は1956年にノーベル物理学賞を受賞します。
1948年以前は真空管をトランジスタの代わりとして使っていました。
この真空管は部品が大きく、消費電力も大きく電子機器の小型化には向いていませんでした。
トランジスタは、消費電力が少なく、寿命が長い、そして部品も小さくなりました。
真空管がトランジスタに換わってからは、電子機器の小型化や高性能化を実現でき、たくさんの製品に変化を与えました。
トランジスタの概要
トランジスタは3本足の部品で、それぞれの足にエミッタ(Emitter)・コレクタ(Collector)・ベース(Base)という名前がついています。
トランジスタの各端子には名称があります。
プラスとマイナスの向きで分類すると、「NPN型トランジスタ」と「PNP型トランジスタ」に分けられます。
これはトランジスタの中身から名付けられています。
NPN型トランジスタとPNPトランジスタの違い
トランジスタにはNPN型とPNP型の2種類存在します。
NPN型トランジスタはエミッタがN型半導体、ベースがP型半導体、コレクタがN型半導体で構成されているトランジスタです。
PNP型トランジスタはエミッタがP型半導体、ベースがN型半導体、コレクタがP型半導体で構成されているトランジスタです。
回路図でもNPN型とPNP型で微妙に違います。
また、型番で区別することもできます。
2SA***PNP型トランジスタ
2SB***PNP型トランジスタ
2SC***NPN型トランジスタ
2SD***NPN型トランジスタ
PNP型はNPN型と電流の流れる向きが反対になります。
トランジスタを利用した基本的な回路
上記のトランジスタの特性「増幅」を利用した基礎回路です。
この回路は、豆電流に流れる電流を制御して、豆電球の明るさを変える回路です。