Raspberry PiのKernelのPagesizeとは?

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Raspberry Pi5, Fabshop ファブショップ Kernel pagesize

Raspberry Pi5から変わったKernelのページサイズ

ここでは、ちょっと難しい話しになりますが、Raspberry Pi5からカーネルのページサイズが大きく変わりました。この件についてお話ししたいと思います。

Raspberry Pi 5のLinux Kernelは、従来のRaspberry Piモデルとは異なり、pagesizeが16KBとなっています。これは、従来の4KB pagesizeから4倍に増加したことを意味します。

pagesizeとは

pagesizeは、メモリ管理における基本単位であり、仮想メモリと物理メモリ間のマッピングに使用されます。大きなpagesizeは、大規模なメモリ空間を扱う際に効率的ですが、小さなメモリ割り当てには無駄が生じる可能性があります。

Raspberry Pi 5における16KB pagesizeの影響

メリット:

  • 大規模アプリケーションのパフォーマンス向上: 大量のメモリを必要とするアプリケーションや、頻繁にメモリにアクセスするアプリケーションでは、ページフォールトの回数が減るため、パフォーマンスが向上する可能性があります。
  • メモリ管理の効率化: メモリ管理テーブル(ページテーブル)のサイズが小さくなるため、メモリ管理が効率化されます。

デメリット:

  • 小さなメモリ割り当てのオーバーヘッド増加: 小さなメモリ割り当てを行う場合、未使用のメモリ領域が増えるため、メモリ使用効率が低下する可能性があります。
  • 一部ソフトウェアとの互換性問題: 16KB pagesizeに対応していないソフトウェアでは、動作しない、またはパフォーマンスが低下する可能性があります。

互換性問題への対応

Raspberry Pi OS(Bullseye以降)は、16KB pagesizeに対応しています。しかし、一部のサードパーティ製ソフトウェアや古いソフトウェアでは、互換性問題が発生する可能性があります。そのような場合は、ソフトウェアのアップデートを待つ、または4KBのpagesizeにダウングレードして使うなどの対応が必要です。

Raspberry Pi 5の16KB pagesizeは、大規模アプリケーションのパフォーマンス向上やメモリ管理の効率化に貢献しますが、小さなメモリ割り当てのオーバーヘッド増加や一部ソフトウェアとの互換性問題を引き起こす可能性があります。Raspberry Pi 5を使用する際は、これらの影響を考慮し、必要に応じて適切な対応を行うようにしましょう。

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