簡単!ハンダ付け講座(02.ハンダ付けに必要なもの)

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具体的にどういう道具をそろえるのか

ハンダ付けが上達するには良い道具をそろえることが大切です。どうにもならない道具を使用してもうまくいかず「ハンダ付けなんてできない」と思うのはもったいない話です。

以下の道具をそろえれば、基本的なハンダ付けはばっちりです。
実際に多くの電子基板製造現場で使われている「白光」というメーカーのものでセレクトしました。
(本記事は、電子基板組み立て工場でのハンダ付け経験があるFabshopスタッフが書いております)

ハンダごて

FX-600D
2024年に登場したハンダごてです。この機種の元になったFX-600もあるのですが、本機は温度調節がデジタルのため、一般的なハンダ付けに最適な350度に設定できるのがポイントです(FX-600は320℃か370℃にしかできない)。微調整も簡単です。
しかも、設定時間になると温度が下がる「スリープ機能」が搭載されたため、作業中にちょっと時間が空く場合にコテ先温度を下げて、コテ先の寿命が延ばせるのもメリットです。

実際の工場などでは電源・コントローラ部とこて部が独立したステーション型の機種が主流ですが、価格などの面など総合的に考えると、個人レベルでは本機がベストです。

 

コテ先

T18-D16 / 1.6D型
T18-C3 / 3C型
さきほどのハンダごて(FX-600D)には標準のT18-Bが付属しています。しかし、Bタイプのコテ先は先端が円錐型なので、慣れないと部品や基板に熱をうまく伝えられないので、以下の2つを買っておくと、標準状態よりもラクにハンダ付けが行えます。


 

ハンダごて台

FH305-81
しっかりとした台を使わないと、作業中に勝手にハンダごてが転倒して危険ですので、一緒に購入しましょう。

こて先クリーナー(ワイヤータイプ)

599B
先ほどのこて台にはスポンジタイプのクリーナーがついていますが、水を含ませたスポンジにこて先をこすりつけるので、急激な温度変化でこて先がダメになります。こて先のクリーニング時の温度変化が少なくワイヤーで優しく汚れを落とせるタイプをおすすめします。

糸ハンダ(鉛フリー)

FS601-01
鉛を含まないタイプの糸ハンダを購入します。太さはいろいろとあるのですが、0.6㎜のものが汎用性が高く、十分なフラックスが含まれているのでおすすめです。
10g巻のものでも長さでは5mあるので、結構な量のハンダ付けができます。

ケミカルペースト

FS-100
鉛フリーハンダは、作業をしているとこて先が酸化して黒くなってきます。黒くなった状態では、こて先の熱を部品や基板に十分に伝えられず失敗してしまいます。ケミカルペーストを使用してこて先クリーナーで軽くゴシゴシすると、本来の銀色に輝くこて先に戻すことができるため、鉛フリーハンダを使用する際には、必ず用意しておきましょう。

ハンダ吸い取り線

FR150-83 ハンダの量が多くなりすぎてしまったときや、意図しないところにハンダが付着してしまったときに除去するためのものです。網状の銅線にフラックスが含まれており、これをハンダと一緒にこて先で加熱すると、ハンダが吸い取られます。
いろいろな幅のものがあるので、ハンダを吸い取る場所によって使い分けしましょう。

道具選びがハンダ付けの成功の秘訣

今回ご紹介した商品は、Raspberry Pi Pico W用の回路制作などから市販の回路キット制作まで幅広く使えます。
安いから、と言って粗悪な道具を使うと、ハンダ付けがうまくいかないばかりか部品破損なども誘発します。

良いハンダ付けは良い道具から。初めに良いものをそろえておくと、長期間楽しめます。

次回は、今回もご紹介したハンダごての「こて先」の選び方について解説します。
→ 簡単!ハンダ付け講座(03.ハンダごてのこて先について)