簡単!ハンダ付け講座(03.ハンダごてのこて先について)

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ハンダごてのこて先(Hakko T12シリーズ)

ハンダ付けする部品や基板に合わせたこて先選び

世の中にはさまざまな形状の「こて先」が販売されています。使用するハンダごて毎(機種ごと)に対応するものはあるのですが、ラインナップされている基本的な形状はほぼ同じです。高出力型のハンダごて用は大きなこて先が、微細な部分に使用するハンダごてには小さなこて先がラインナップされています。

最初の段階では、次に紹介するものがあればほとんどの作業に対応できます。

基本の3つを抑えておこう

一般的な電子部品のハンダ付けに使用されるのは主に「C型」と「D型」です。あとはハンダごてを購入したときに付属する「B型」があります。これら以外の特殊な形状のものは、汎用性が低いため、ここでは紹介しません。

C型

円錐を斜めにカットした先端形状です。こて先の当て方により小さな場所でも大きな場所でもハンダ付け可能です。
最初の一本には、「3C」というサイズがおすすめです。太さがあるので熱量が大きく部品や基板に当てた際の温度下降が少ないため、短時間で適温まで加熱できます。先端部分で小さい場所を、少し寝かせれば広い面積にも対応できます。

D型

マイナスドライバ―状の先端が平らになった形状のこて先です。ハンダ付け箇所同士が近接しているときに、ハンダごてを立てて当てるときなどに重宝します。狭い場所に使用することが多いので、小さめの「D12」(1.2mm幅)が良いかと思います(上記の3Cでは大きすぎる場所に使いましょう)。

B型

ハンダごてを購入した際に付属するのがB型です。えんぴつの先のような円錐形をしたこて先です。万能タイプではあるのですが、こて先が細いため、C型やD型のように「面で当てる」のはちょっと難しいです。上記のT18-D12では太すぎる、というときにはB型が使えます。

こて先と熱量

こて先は太くなるほどこて先が持つ熱量が多くなります。部品や基板にこて先を当てた瞬間、こて先の熱が部品や基板に移動するのですが、太いこて先はこのときの温度低下が少ないため、効率よく熱を供給することができます。
一方、細いこて先になるほど、先端部分の熱量が少なくなるので、部品や基板にこて先を当ててもなかなか温まらないことがあります。その際は、こて先の酸化に注意しながら温度を+20~30℃高めに設定するとうまくいくことがあります。

【ホームセンターのハンダごてはNG】

近所のホームセンターでもハンダごては販売されていますが、ほとんどが電子回路制作には向きません。理由としては、

  • 温度調節機能がないため、ハンダ付け対象に合わせて調節できない。
  • こて先が購入時に付属する円錐型の大き目なものしか選べないため、作業性が悪い。
  • こて先温度が500℃前後になるため、フラックスが瞬間的に揮発し、ハンダがうまく流れない。
  • ハンダごて自体が大きく長いものが多いので、持ちづらく作業しづらい。

正しいハンダ付け技術を習得するには、温度調節機能の付いた、こて先の交換が可能なタイプを購入しましょう。

こて先交換で作業性アップ!

今回は初めに揃えておきたいこて先を2種類紹介しました。
ハンダごての機種ごとに様々な形状・サイズのこて先が販売されています。
自分が良く作る電子工作の内容に合わせたこて先を使って、楽しくハンダ付けしましょう。

【参考リンク】

Hakko T18シリーズ・こて先一覧
https://www.hakko.com/japan/products/hakko_fx600d_tips.html

次回はRaspberry Pi Pico Wのピンヘッダーを実際にハンダ付けします。
→ 簡単!ハンダ付け講座(04.ハンダ付けに挑戦!)