Raspberry Pi Picoには2つのモデルがある
Raspberry Pi Picoは、小型で低価格なマイコンボードとして人気ですが、実は「Pico」と「Pico W」の2つのモデルが存在します。どちらも魅力的な製品ですが、それぞれの特徴や用途が異なります。
この記事では、初めてRaspberry Pi Picoを使う方に向けて、PicoとPico Wの違いを分かりやすく解説し、どちらを選べばいいのか、具体的な工作例も交えてご紹介します。
Raspberry Pi PicoとPico Wの違いとは
まず、PicoとPico Wの大きな違いは「無線LAN機能の有無」です。
Raspberry Pi Pico : 無線LAN機能なし
Raspberry Pi Pico W: 無線LAN機能搭載
Pico Wは、無線LANを使ってインターネットに接続できます。
比べてみると、大きくは無線LANの有無と価格の違いだけのようです。
ですが、お店によって異なりますが価格も数百円程度の違いで、Pico Wもお手軽に購入できます。
Pico Wを活用した活用例
無線LAN機能搭載のPico Wは、「場所を選ばずに使える」という大きなメリットがあり、以下のような活用方法があります。
- 自宅のWi-Fiに接続して、IoTデバイスを作る
– センサーで温度や湿度を測定し、スマホにデータを送信する - 外出先でも、インターネットに接続してデータを送受信!
– GPSモジュールと組み合わせて、位置情報を取得してWebサーバーに送信する
– ウェブカメラと組み合わせて、遠隔地の様子を監視する
このようにPico Wは、「インターネットとの連携が必要な工作」に最適で、無線LAN機能非搭載のPicoでは出来ません。
Picoを購入するメリットと活用例
無線LAN機能搭載有無が大きな違いのPicoとPico W。
なので、「Picoで出来ることはPico Wで出来てしまう」ワケです。
それでもPicoを選んだ方がいいときもあります。
それは一体どんな時なのでしょうか?
1. 電力消費を抑えた小型デバイス製作
無線LAN機能は電力消費が大きいため、バッテリー駆動の小型デバイスには不向きです。
Raspberry Pi Picoは、無線LAN機能がないため、消費電力を抑え、長時間の動作を実現できます。
【例】
- 小型ウェアラブルデバイス※1
- バッテリー駆動のIoTセンサー
- 電力制限のある環境でのデータロガー※2
※1 ウェアラブルデバイス・・・腕時計やメガネなど体に装着するコンピューターデバイスのこと
※2 データロガー ・・・信号記録をデジタル処理して記憶する観測装置のこと
2.ネットワーク干渉のない安定した動作
無線LANは電波干渉の影響を受けやすく、動作が不安定になることがあります。
Raspberry Pi Picoは、無線LAN機能がないため、電波干渉の影響を受けにくく安定した動作を実現できます。
【例】
- 医療機器や産業機器などの信頼性が求められるシステム
- 複数の無線LANデバイスが混在する環境での制御システム
3. ネットワークセキュリティの強化
無線LANは、不正アクセスなどのセキュリティリスクに常にさらされています。
Raspberry Pi Picoは、無線LAN機能がないため、セキュリティ面でより安全です。
【例】
- 機密情報を取り扱うシステム
- セキュリティ対策が重要な環境でのデータ収集
4. 低コストでシンプルな工作
Raspberry Pi Picoは、無線LAN機能がない分、Pico Wよりも低価格です。
そのため、予算を抑えたい・シンプルな工作に挑戦したいという方におすすめです。
【例】
- LED制御
- モーター制御
- センサーデータの取得と処理
PicoとPico W、選ぶ前にプロジェクトの全体像をイメージ!
以上、Raspberry Pi PicoとPico Wの違いについて説明しました。
PicoとPico W、どちらを選ぶかは、「どんなものを作ってみたいか」というプロジェクトの構想によって決まります。
作ったデバイスをインターネットに繋げて活用したいと考えているなら「Pico W」がおすすめですし、まずは電子工作の基本を学びたい・センサーやモーターを制御してみたいという方は、シンプルで扱いやすいPicoから始めることをおすすめします。
どちらのモデルも、豊富な機能と拡張性を持つため、様々な工作に挑戦できます。
自分の用途に合わせて最適なモデルを選んで、Raspberry Pi Picoで電子工作を楽しみましょう。