マイコンの基礎をRaspberry Pi Pico Wで学ぼう

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Raspberry Pi Pico W

プログラミング教育なども普及しつつある昨今、ソフトウェアの知識だけでなくハードウェアの知識についても理解しておくことは重要です。

Raspberry Pi財団が開発したコンパクトで低価格なマイコンボード「Raspberry Pi Pico W」を使用して、マイコンプログラミングとハードウェアコントロールの基本を学習します。

そもそも「マイコン」とは?

マイコンとは、マイクロコントローラやマイクロコンピュータの略で、コンピュータの機能を1つの小さなチップに集約した電子部品です。いわば、電気製品の心臓部のような存在で、様々な機器の動作を制御しています。

パソコンと違い、OSを持たず、マイコン内にインストールされたプログラムを実行します。
たとえば、以下の用途にマイコンが使用されます。

  • 電気製品の制御: 冷蔵庫、洗濯機、自動車、スマートフォンなど、私たちの身の回りの多くの製品に組み込まれており、それらの動作を自動化したり、外部からの指示に従って動作させたりしています。
  • 信号の処理: センサーから得られた情報(温度、湿度、光など)を処理し、それに応じて機器の動作を変化させます。
  • データの保存: 小さなメモリを搭載しており、設定情報や過去のデータを保存することができます。

マイコンは上記のような場面に使用されるコンピューターです。マイコン自体は大きく分けて以下のもので構成されています。

  • CPU: 計算や制御の中心となる部分です。
  • メモリ: プログラムやデータを一時的に保存する場所です。
  • I/Oポート: 外部の回路や装置と接続するための端子です。
  • 周辺回路: タイマー、ADコンバータ、通信機能など、様々な機能を持つ回路が搭載されています。

簡単にまとめると、「目的に合わせた専用のプログラム作成して入れて、データ処理や外部の機器などの制御を行う小さなコンピュータ」ものがマイコンです。

どうしたら使えるのか?

なにかの目的を持った機器を作る際に、マイコンを利用したいと思った場合、以下のものを用意する必要があります。

  • マイコン本体
  • マイコンに入れるプログラムを作成するためのパソコン
  • マイコンとパソコンをつなぐケーブル
  • マイコンが制御する対象となる機器

まずは最初の理解として「機器を制御するプログラムをパソコンで作って、そのプログラムをマイコンに入れて機器を制御する」と思っておけばよさそうです。

どのマイコンを選ぶか

マイコンに入れるプログラムを作成するためのパソコンは、Windowsパソコンなどが使用されます。

マイコンは世の中に様々なもの(機種)がありますが、今回はプログラムの習得が比較的簡単であるといわれているPython(パイソン)というプログラミング言語が使えるもので、最近人気急上昇中の「Raspberry Pi Pico W」を使用します。

Raspberry Pi Pico W

Raspberry Pi Pico Wには以下の特徴があります。

  • 小型軽量: Micro:bitの半分程度の大きさで、非常にコンパクトです。
  • 低価格: 比較的安価に入手でき、気軽に電子工作を始められます。
  • 高性能: RP2040という独自のマイコンを搭載しており、処理能力も十分です。
  • 多機能: 豊富なGPIOピンや周辺機能を備えており、様々な電子部品と接続できます。
  • プログラミング言語: MicroPythonやC/C++など、複数のプログラミング言語に対応しています。

手軽に購入できて高性能であること、拡張性や汎用性が高いことなどが人気の理由です。

Raspberry Pi Pico WはAmazonや電子部品のオンライン販売を行っているお店などで購入できます。
初めての方は、基本的な電子部品やケーブルなどがセットになっているものを購入するとよいでしょう。

次回は「Raspberry Pi Pico Wを使う準備(ソフト編)」です。
http://www.fabshop.jp/pico_w_setup_soft/